エレベーター 保守のプロが集結!
視聴者が求めるのは、未来のニュース、今後どうなるかという予測報道だ。
この時も、視聴者の多くは「砂の嵐作戦はいつ始まるか」という、次の展開についてばかり関心を払っていた。
このように、インターネット社会のマスコミは、新聞のように過去を、テレビのように今のニュースを伝えるだけではなく、「これからどうなる」という未来の報道が盛んになるだろう。
そのためには、専門的な知識をもち、洞察力にすぐれたベテラン記者が求められよう。
九五年一月十七日に起こった阪神大震災は、改めてさまざまな問題を浮き彫りにした。
われわれの生活かきわめて脆い基盤の上に成り立っていることを痛感させられた。
多数の死傷者を出し、いまだに仮設住宅で生活している人が数多くいる。
この大震災を機に、国や自治体の基本的な防災対策が問い直されている。
この阪神大震災で注目されたのは、情報通信網がどう機能したのかということだった。
水道・ガスなどのライフラインが寸断されたにもかかわらず、電話線などの通信網の復旧は早かった。
地震直後から被災地に殺到する電話のために、電話が非常にかかりにくくなることはあっても、通信回線が全く使えないということはなかった。
もし、電話も使えないということになっていれば、情報から遮断された孤立感がつのり、大きなパニックになる。
神戸市がインターネットで発信したビル倒壊の画像マスコミが、全国に向けた番組や記事を流し、きめ細かい情報を提供しないと批判されるなかで、インターネットやパソコン通信ネットでは、多くの人々が見たままの情報を発信し続けた。
被災地の細部の情報を網羅するまでには至らないものの、生の情報が次々に提供された。
しかも、これらの情報の提供によって新たなパニックが起こらないよう配慮したものがほとんどだった。
これらのメッセージは、被災者の安否に関するもの、被災者の救援に関するもの、救援ボランティアの情報交換に関するものなど、さまざまな内容の情報がネットワーク上を行き交った。
あまりにも膨大な量の情報になったので、これらの情報を検索するためのプログラムも提供された。
しかし、被災地では、パソコン通信ネットやインターネットは、期待はされているが、役に立っていないというのも実状だったようだ。
被災地では、行政や企業の協力のもとにパソコンなどの情報機器が避難所に配られた。
しかし、それは必ずしも評判のよいものではなかった。
救援物資の配布などさまざまな仕事に追われる避難所の人々にとって、慣れないキーボードに触れてまで、大量の幄報から知人の安否情報を探し出す余裕は、残っていなかったのだろう。
被災地では役に立たなかったという評価の一方で、マスコミとは違うメディアとしての役割を果たしたという肯定的な評価もある。
インターネット上で公開された震災による死亡者のリストのような被災者に関する情報には、海外からも多数のアクセスがあった。
国際都市神戸やその周辺には、海外出身者が多いので、彼らの安否を確かめるためのアクセスも多かったようだ。
これら情報のとりまとめや発信は、誰かの指示に基ブいてやるというのではなく、それぞれが自らの発意で行った例がほとんどだった。
大震災の被災地から離れたところに居住していて、ボランティアとして被災地に行くだけの余裕はないが、なにかしたいという思いが、人々を情報ボランティア活動に駆り立てたに違いない。
インター・ボランティアーネットワークのような情報ボランティアのネットワークが、さまざまなネットワーク上でつくられた。
インターYネットのように、それぞれのネットワークをつなげることも行われた。
阪神大震災では、通信網の被害が少なかったことは、不幸中の幸いだった。
だが、大地震によって地上の通信網が広い地域で使えなくなることも想定して対策をとっておかなくてはならない。
米連邦緊急事態管理局のように通信機器と小型の交換機。
パラボラアンテナなどを組み合わせた非常時に使える緊急通信網を準備しておかなければ、大災害に対応することはできない。
危機管理体制の確立とともに、緊急通信網の整備が必要だ。
そして、通信網の基盤の上に、地域の人々や行政やボランティアが協力しあえるネットワークを日頃からつくっておくことが必要であろう。
このネットワークは、自治体などの行政だけでなく、地域のすべての人々が参加できるものでなければならない。
なお、この震災については、「阪神大震災情報ボランティアとコンピュータネットワーク」として新情報処理開発機構の金田泰さんがまとめておられる。
関連サイトへのリンクも豊富で、危機管理とネットワークについて論じるうえで参考になる。
トップと部下が直結され、中間管理職は役目を失うインターネットは、いうまでもなく電気通信の一種である。
電気通信の特色は、中抜き現象を起こす。
トップとボトムが直結してしまうのである。
現在、企業でも役所でも、判断を必要とする時は、官庁を例にとるならば、最末端の平の課員、主任、係長、課長補佐、課長、部長、局次長、局長、事務次官というように、順次、起案書が上位者の方に上って行き、それぞれの段階で是非が問われて、ハンコが押されていく。
察議形式である。
決して次官が平の課員から、直接意見を聞くことはない。
ところがインターネットの電子メールを使うと、トップと末端が結びついてしまう。
インターネットは、パソコン通信の一種だが、この現象はすでに、パソコン通信を使って、LAN(構内通信網)を構築している大企業のなかでは起きている。
NTTデータ通信は、東京の本社を移転したのを機会に、お手のもののLANを構築しパソコンの使えない管理職は生き残れない。
同社幹部の話では、毎朝出勤すると、一番にパソコン通信の電子メールをのぞくのだが、部下はもとより、なかなか顔を思い出せないような他部署の部員から、業務に対する改善案、職場の不満、残業の報告などが、直接書き込まれているようになったという。
電子メールというのは、電話と異なり、手紙に似た性質をもっている。
速い遅いだけの違いではない。
電話は双方向性があり、互いに話し合い、議論を深めるという特色があるが、手紙も電子メールも、自分の主張を言い放しにできるノただちに反論されることはない。
それだけに電子メールには、部下の言いたいことがストレートに書かれているという。
ということは、トップと部下が直結してしまい、中間管理職は二階に上げられ、棚上げされたりする現象が、職場や組織のなかでどんどん起きる。
係長や課長補佐など、中間管理職の任務は、これまでは上司と部下をつなぎ、社内に波風を立てないようにするのが重要な部分を占めていたが、インターネット社会ではそれだけでは役目を果たせない。
東京のある外資系の企業では、インターネットを使って、東京支店の管理職のミスを本国の人事部などに連絡するケースも多くなったという。
アジアのはずれ(極東)の東京のことだからと、あこぎな人事管理を行う外国人の管理職がこれまで数多くみられたが、インターネット社会では、もうそれは許されない。
同社会は、中間管理職受難の時代となろう。
インターネットを使うと、匿名による情報発信も可能だから、こういう内部暴露も可能になる。
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